秋の海老・亀

10月も後半になってやっと涼しくなり秋めいてきました。今日の午後、外で空を見上げたらおおきな雲がみんなうろこ雲でした。スマホばかり見ていたら気がつきませんよ。ちょっと周りを見て、空や木々の色づきに秋を探してみませんか。
さて、10月から海老島優子先生がクリニックのメンバーに加わってくれて、火曜・水曜・金曜・土曜は2診だてとなりました。これは医療用語かなあ、二つ診察室があって、同時に診察が行われることを2診だてといいます。もちろん医者がふたり必要です。アレルギー専門医療をしているので、ひとりで目いっぱい患者さんを診ていましたが、そうなると一人の人間が物理的に診察できる患者さんは数に限りがあるし、なかなかアレルギーの予約も取れない、小児科医なので、アレルギー以外の子どもの病気も診てあげたいし、増えてきた予防接種も大事なのだけどその枠ができない、と、ここ数年忙しいなかに悩んできました。そこに来てくれた海老島先生は、女神さまのようです(!?)。中津病院でアレルギーの研鑽をつんだ小児科医で、患者さんや家族の気持ちのわかる先生ですから、まあご安心ください。私が20年若くなって帰ってきたようなもんです(!??)子どもふたりいて、なかなか子育ても大変ですが、頑張り屋さんなので、私は安心して頼ろうと思っています。
診察室がいくつもあると、病院では、中にいる担当医師の名前を札に書いて扉の横にかけておくのですが、それではあまり芸がないと思い、アイデアがひらめきました。うちはフクロウがイメージキャラクターで、森のイメージでクリニックのインテリアをしてきたのですが、たまたま海老島と亀崎で、エビとカメは海の長寿のおめでたい生き物ではありませんか。そこでエビとカメのイラストを大きく描いてこどもたちにも読めるようにえび先生、かめ先生と字も入れて扉にはりつけることにしました。これは大成功で、外で待っている子どもたちが扉のそとで、かめせんせい、えびせんせいと、呼んで楽しみに待ってくれたりします。でもおもしろいんですよ、子どもって。赤ちゃんのころからずっとアレルギーで定期的に通っている5歳の男の子がこの前改装後初めて受診され、かめのイラストのついた扉の前で待っていたのですが、私(亀崎)がほんとうのかめになっていたらどうしよう、と心配してお母さんに相談してたんですって。扉を開けたら亀ではなく私が前のままでいたのでほっとしたようです。(お母さんからあとから聞いたのですが、笑えるなあ!!)
お母さんたちの心配をなくして、相談にのってあげられる小児科医療を目指していますが、子どもたちとも直接お話しして仲良くして信頼してもらえる医療スタッフでありたいと、私たちは考えています。よろしく!

あのテープはぜんそくの薬です

暑い長い夏でしたが、9月半ばになってなんかいっぱい台風が来て、風やら雨やらつぎつぎ多くなって、ふと気づくと9月も末、涼しくなっております。すこし喘息発作は増えていますが、あまり病気は流行っていません。子どもたちは、幼稚園児も小学生も運動会の練習たけなわです。天気になるといいけどね。
10月に日本小児アレルギー学会が群馬で開催されます。そのシンポジウム「乳児喘息」でシンポジストを依頼され、勉強しなおしたりスライドを作ったりしているのですが、私の担当は、喘息の発作の時に使う「気管支拡張薬」です。発作の時に吸入したり飲んだりすると楽になるのでいい薬なのですが、実は気になることがあります。
患者さん(小さな子)が受診されて診察すると、背中にぺたっとテープが貼ってあることが時々あります。あれは実は気管支拡張剤の徐放(ゆっくり効く)薬で、ぜんそくの薬なのです。でも診察すると、喘息の音は聞こえません。「ぜんそくなんですか?」と聞くと、お母さんは「え?いや前にもらったテープが残っていたので貼ったんですけど」。お母さんは、風邪の薬、咳止めと思っていて、自分の子は喘息だとまったく思っていない。それなのに喘息の薬がなぜ使われているのでしょう。
実は気道の閉塞症状を伴う気管支炎ではこのテープ、処方していいことになっていますが、そもそも気管支炎なのか、気道の閉塞があるのか、はたまた本物のぜんそくなのか。多くの非専門医の先生は、そこをあいまいにしてテープを出すし、喘息かどうかをはっきり言わないので、お母さんたちはテープを喘息の薬と思っていません。でも、風邪の咳、鼻水が絡んだ咳にはこれは全く効きません。気管支喘息の発作の時は気道が閉塞しているので、気管支拡張剤のこの薬が効くのです。調べてみると、このテープは本当のぜんそくの患者さんに出されているのは10~20%くらいで、ほんとに、風邪の子どもたちに山ほど出されているのです。数日なら効かないだけで、問題ないかもしれませんが、長期に単独に使って悪影響がないかどうかは、調べられていないので不明です。
まあそういうことを学会のシンポジウムでお話しして、気管支拡張薬はちゃんと診断して使おうよ、と言いたいです。もし聴診もされず、テープをもらったら、貼らないほうがいいかもね。1週間以上貼り続けてよくならなければ、もう一回診てもらってください。

クリニック新装オープン!!

今年の夏は暑かったですね!あついといえば、リオオリンピックにも熱くなりましたが。3週間の改装のお休みが、もろオリンピックの期間と重なったので、実は休み中、毎日オリンピック番組を見て、応援し、興奮し、感動にひたっておりました。
7月末、忙しい診療をしながら、またそれが終わってから、スタッフ一同汗だくで荷造りをしました。引っ越し屋さんに3週間クリニックの荷物を預かってもらうためです。それから3週間で突貫工事、診察室を二つ作り、隔離待合室を広げ・・・など、より患者さんの過ごしやすい環境のクリニックに改造しました。待合のプレイルームの整備、中待合や隔離室の拡張、授乳室の新設、靴を脱がなくていい土足の環境、暑さ寒さをブロックする防風二重の玄関、エアコンも空気清浄機能の付いたものを各部屋に設置、処置室・指導室の拡張、おもちゃや本の新購入など、いろいろ頭をひねりました。23日にオープンしておおむね好評(とくに遊びたいこどもたちには)ですが、またお気づきのことがあったら受付にお伝えください。
10月から予防接種も枠を大きく広げます。予防接種は種類が増え、期間も限られているのできちんとした計画が必要です。今まで余裕がなくてあまり予約を受け付けられませんでしたが、10月からは週に3日午後をすべて予防接種と健康診断にあてますので、小児科の予防・健康医療にも貢献することができます。予防接種の計画に関しては、ご相談いただければ、看護師が計画を立て、アドバイスし、予約もとることができます。ぜひご利用ください。
夏休みも終わり、子どもたちはまた幼稚園や学校に戻っていきます。溶連菌や夏風邪も流行っていましたが、そんなに大きな病気の大流行もなしに夏が終わりそうです。ひとまずほっとしました。
今後もますます子どもたちの健康のために、小児科ならびにアレルギーの専門医療に力をつくしたいと思います。優秀なスタッフもやる気満々、どうぞよろしくお願いいたします。

医療法人 創和会 かめさきこども・アレルギークリニックは豊中市(緑地公園駅近く)にある、小児科・アレルギー科の専門医です。

Copyright © KAMESAKI Kodomo・Allergy CLINIC All Rights Reserved.