子どもは熱の上がり際や体調の悪いときに吐くことはよくあります。吐いたあとは、そのほかの症状がないかよく見てあげてください。1~2回吐いてもけろっとしてすっきりしたー、という場合は悪い病気でないことがほとんどです。咳き込んで吐くのも、ひっかかった痰を出そうとして食べたものを吐くのですから、楽になって大丈夫。でもしつこい嘔吐は胃腸の重大な病気や神経の病気の場合があるので要注意です。

嘔吐がはじまりでおこってくる病気には次のようなものがあります。

感冒性胃腸炎(嘔吐下痢症)

主にウイルス性で、胃腸炎をおこすと嘔吐、下痢、腹痛ときに発熱、という症状です。嘔吐は、胃腸炎の急性期に胃腸の動きが悪くなるためおこります。たいていは6~12時間でおさまりますので少しずつ水分をとっておなかをやすめてください。たいていそのあとに下痢が続きます。いろんなウイルスでおこりますが、ロタウイルス腸炎やノロウイルスが有名です。

ロタウイルスは0歳児がかかると嘔吐下痢ともにひどくすぐに脱水がおこり、入院が必要なこともあります。任意ですが、赤ちゃんのロタウイルスワクチンが普及して、重症の腸炎はすっかり減りました。ノロウイルスはときに大流行します。感染力がすごいわりには短期間でよくなることが多いようです。いずれも吐物や便にウイルスがいますので、始末をよくして手を洗ってください。

腸重積

子どもの救急で怖い病気その一。

0~2歳に多く、腸が腸にめりこんで通らなくなります。腹痛がひどいのですが、離乳期の赤ちゃんは痛いといえないので大泣きし、すこし痛みがおさまるとぐったりし、またしばらくすると泣くという不機嫌状態が続き、嘔吐、便に血がまじればほぼ確実。夜中でも急いで救急に行ってください。早ければ、おしりから圧力をかける治療でめりこんだ腸を戻せますが、遅くなれば手術が必要です。

髄膜炎

子どもの救急で怖い病気その二。

髄膜炎は病原体が神経系にはいりこむ感染症です。ウイルスの場合は自然に治っていくことが多いのですが、細菌がおこす髄膜炎は0~3歳に多く、発熱、嘔吐、けいれんが起こります。治療が遅れると重篤な後遺症が残ることもあるので、私ども小児科医は緊張します。腰に針をさして髄液をとる検査で診断がつきます。下痢のない嘔吐は神経の症状のことがあり、何回もあれば要注意。入院して抗生剤の点滴を中心とした治療が必要です。

細菌性髄膜炎の原因であるインフルエンザ菌と肺炎球菌の感染は、乳時期早期の予防接種(ヒブ、ペレベナー)で防げます。おかげで最近は髄膜炎の発症が減っています。

幽門狭窄症

生後2~4週くらいの赤ちゃんが噴水のように吐くのをくりかえすとこれを疑います。胃から十二指腸につづく幽門という部位が肥厚して通過が悪くなる状態です。手術で治りますが、最近は内科的治療でねばることもできるそうです。

脳腫瘍

脳の中にできる癌です。大きくなると脳の中で周囲を圧迫するので、嘔吐やいろんな神経症状が出ます。もちろんめったにない病気で珍しいのですが、命にかかわる病気なので、常に頭の隅においておかねばなりません。

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