2013年の終わり

今年もいよいよ終わりに近づきました。
最後の診療も無事昨日終わりました。肺炎で治療中の子が熱も下がり咳もおさまってよかった、喘息の発作があった子も強力に治療して軽快、初診で湿疹のひどかった赤ちゃんも1週間で軽快し、炎症反応が強かった子も抗生剤の点滴をしてなんとか新年を迎えられそうです。この時期になると、いかに適切に診断し、入院せずに外来の治療で年末年始を乗り切れるかが、小児科医の腕の見せどころです。何人も重症の喘息のちびさんがいますが、みんななんとかがんばって、もちろんお母さんやご家族の日々の努力で、なんとか元気に新しい年を迎えられるかなあとほっとしてます。何人かアレルギー診療を卒業したお子さんもいて、10年くらいでアトピー性皮膚炎も治り、なんでも食べるようになり、喘息も薬なしで発作なしになると卒業です。私の出番がなくなるのはいいことですが、ご本人もお母さんももうれしいながらなごりおしげで、実は私もよかったね、といいながらほんとはちょっとさびしいのです。でも、患者さんが巣立っていくのは、アレルギー専門小児科医としては勲章だと思って、そういう大きくなった子どもたちにエールを贈りたいと思います。
今年は私にはすごく忙しい年でした。15回も講演・講習をしました。医師向け、医療関係者向けのみならず、学校や保育園向けの食物アレルギーの講演が多かったです。食物アレルギーの患者さんの通っている保育園・幼稚園・小学校の先生方との面談も13回ありました。去年東京調布市で給食で乳製品を誤食し小学校5年生の女の子が亡くなった痛ましい事故の後で、ずいぶん教育現場の意識が変わってきました。大阪でも、学校の先生むけの講演・講習が今年あちこちで行われましたが、地域や学校個々でかなり意識が違うのが現状です。でもなんでもね、正しい知識を得ることから始まるのです。自分の学校で、子どもが給食を食べて死ぬなんて、起こるはずがないし、起こってほしくないから考えないでおこう、という意識が今も、ある地域のある先生方にまだあるのです。危機管理というのは、地震や侵入者襲撃など、めったにないかもしれないがそのときどう対応するかという、事前想定対策です。今の時代には必須のスキルだと思います。
来年も、食物負荷試験を増やしたり、アレルギー生活指導に力をいれるなど、こどもたちのアレルギー疾患に対して、せいいっぱいの努力をしたいと思います。よろしくお願いします。

医療法人 創和会 かめさきこども・アレルギークリニックは豊中市(緑地公園駅近く)にある、小児科・アレルギー科の専門医です。

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