満員通勤電車の過ごし方

この4月に引っ越してから、通勤時間の半分約20分を、満員電車で立ったまま、という状況になりました。満員電車での通勤は10年ぶりで、若いころに比べるとずいぶん体にこたえます。三日にいっぺんは足を踏まれるような結構ハードな通勤路。あちこち車両を変えてみましたが、ラッシュアワーはどこでも同じようなもので、すいてる場所などありません。20分の間に停車する新快速の駅はみっつ。たまたま目の前の席が空けばラッキー、と座れます。座ると立つでは、天と地獄ほどの差があります。でも、目をぎらぎらさせて、あそこがあきそう、ささっと席確保!というのも、あさましいようで嫌になってきました。
たった20分、なんとか立ったままのしんどさを感じなくてすむ、いい時間の過ごし方を考えました。Ipodで音楽を聞く、というのはいいかもしれない。でもやってみると聞きたい音楽はその日の気分によって違うし、音楽を探し出すだけで結構手間で(なにかいい方法があるのでしょうけど?)、また音は聞いていても、視界は満員のひとが入ってくるので、そんなにリラックスできませんでした。そこで、ゆれる満員電車で読書、というのはどうかなと思っていましたがやってみると、やはり好きなものが夢中になれていいのですね。
コツは三つ、荷物は最小限にしてリュックに背負い、両手をあける。電車に乗ったら席確保はあきらめて、人が通らずよりかかって本を読んでも邪魔にならない場所を確保する、そして読む本は、とにかくおもしろくて引き込まれるような好きなものにする。
最近成功した本は、レイモンド・チャンドラーというアメリカの作家の本で探偵小説のほぼ古典になっている「ロング・グッドバイ」という、文庫でもぶあつい小説です。昔高校時代に読んだのですが、最近村上春樹の新訳が出て、独特の比喩や細かい人物・背景描写、登場人物の際立つ個性でチャンドラーの文章のおもしろさにはまりました。もちろん事件の意外な展開もですが。とにかく、1週間、通勤時間の苦痛を感じることなく過ごせました。次は何を読もうかな。最近の話題の本では、百田尚樹の「永遠のゼロ」は感動的だったし、直木賞をとった朝井リョウの「何者」もよかった。どちらも、高校生の息子がはまっている作家です。昔読んだ古典的な小説の再読もいいかなと思っています。暑い夏なのでなんとか元気に過ごしたいです。

医療法人 創和会 かめさきこども・アレルギークリニックは豊中市(緑地公園駅近く)にある、小児科・アレルギー科の専門医です。

Copyright © KAMESAKI Kodomo・Allergy CLINIC All Rights Reserved.