増えてるナッツアレルギー

3月・4月と忙しい季節でした。年度終わり・初めの検査や説明や書類書きでずいぶん時間がとられて、待ち時間が長くなる患者さんもあり、ごめんなさい。5月になるとすこし状況は改善すると思います。
最近食物アレルギーのなかでも、ナッツアレルギーの患者さんが増えてきました。ナッツといっても樹木の系統によっていろいろです。一番有名で多いのがピーナッツアレルギー。でも最近では、クルミだけとか、カシューナッツだけの患者さんも増えています。
ピーナッツアレルギーの乳幼児の7割は初めてのピーナッツ摂取で症状を起こします。なので、母親が妊娠・授乳中にピーナッツを食べて胎盤や母乳を通じて感作(IgE 抗体ができること:これがあって初めてアレルギー症状が出ます)されると考えられてきました。しかしピーナッツオイルを使ってベビーマッサージをした乳児に感作があることがわかり、最近の食物アレルギーの感作の多くは、経皮感作、すなわちバリア機能が低下した、湿疹や乾燥の強い皮膚を通じてアレルギーが成立するということになってきました。当院で、赤ちゃんの湿疹ははやくよくしましょう、というのも食物アレルギーを予防したいからが目的のひとつです。
ピーナッツアレルギーの患者さんの話を聞くと、家族の誰かがピーナッツが好きでよく食べています。アメリカの研究でも証明されていますが、赤ちゃんも母乳を与えているお母さんもピーナッツを食べていないのに、ほかの家族で食べているピーナッツが多いほどピーナッツアレルギーが増加するのです。
ピーナッツはいろんな料理に入っています。クッキーやチョコレートなどのお菓子はもちろんですが、ドレッシング、中華めんのたれ、カレーのルウのなか、中華料理の下味などです。包装された食品であれば、ピーナッツは原材料の中に表示する義務があります。外食の時も必ず確認してください。
クルミは、お菓子以外にも注意するものがあります。ドレッシングもありますが、五平餅といかなごのくぎ煮です。見た目はわかりませんが、たれにクルミが入っていることがあります。
楽しいゴールデンウィークですが、旅先では気持ちも緩んで、いつもと違う状況でつい知らないものを口にして誤食が多いです。ドライブインのお店で試食コーナーなんて気をつけてくださいね。

医療法人 創和会 かめさきこども・アレルギークリニックは豊中市(緑地公園駅近く)にある、小児科・アレルギー科の専門医です。

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