5月のウイルス

4月から保育所に行き始めた子どもたちが、1週間くらいすると風邪をひいて、しばらくすると熱を出す。これは、集団生活に入っていろんな感染症をもらうので、小児科ではごくあたりまえのことです。感染力が強いウイルスに関しては検査ができ、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、RSウイルス、ロタウイルス、ノロウイルスなどは診断ができます。でも、インフルエンザは抗ウイルス剤で飲み薬も注射もあるので診断がつけば処方して、発熱期間を減らし、合併症を減らすことができますが、ほかのウイルスには特効薬がありません。ただ、診断がつくと、熱や症状の続く見通しがたつし、気をつけることを家族にお話しすることができます。でも多くのウイルス感染は、保険の効かない特別な検査をしないかぎり、何のウイルスかは診断がつかず、結局ひとつひとつ抗体を作って免疫をつけていくしかないのです。

2-3月は子どもたちのあいだで新型コロナウイルスも多かったですが、この1か月は、発熱者が日に10人弱いるとしても、コロナ感染は週に2-3人とずいぶん減っています。普通の風邪のほうがずっと多くなり、やっと日常に近くなりました。

それから、鼻水も咳も、病原体を体から出そうとする生体反応です。鼻水がつまって眠れなかったり、咳き込んで眠れなかったりすればすこしお薬もいるでしょうが、飲んでぴたっと咳や鼻水が止まる薬は小児科では、実はないのです。本人が困ってなくって眠れていて食欲があって機嫌がよければ、そうそう慌てることはありません。

保育園・幼稚園に行き始めた子どもたち、子どもの熱で呼び出されたり、仕事をやりくりしなければならないお母さん、お父さん、がんばれ!

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