こどもの鼻アレルギー

子どもの鼻アレルギー(アレルギー性鼻炎)は増えていますが、藤田医科大学の近藤康人先生によると、4つの問題点があるとのことです。

一つ目は喘息との関連です。ある研究で子どもの喘息の平均発症年齢は2.8歳、鼻炎は2.9歳とわかり、喘息と鼻炎の発症年齢分布はよく似ていました。また、小児期のアレルギー性鼻炎は、小児期以降にも喘息の発症を3倍以上リスクを高めることがわかりました。就学前のアレルギー性鼻炎はアレルゲン対策や治療をすることで喘息の発症を予防できる可能性があります。

二つ目はいびきとの関連です。中等度以上のいびきでは、アデノイド、扁桃肥大と並んでアレルギー性鼻炎が危険因子であることがわかりました。またスギ花粉症患者に、花粉症シーズンに眠れない理由をしらべると、鼻炎症状が第2位でした。これもコントールが大切です。

三つめは学業との関連です。英国で国家試験の受験生を対象とした研究で、花粉の飛散期と非飛散期で試験成績を調べると飛散期では成績低下の危険が1.4倍となりました。日本の受験期2-3月はスギ花粉飛散期なので心配ですね。

四つ目は食物アレルギーとの関連です。PFAS(花粉-食物アレルギー症候群)は、ある特定の花粉抗原に感作されると、交差抗原性のある食品によってアレルギー症状が出ることをいいます。カバノキ科の花粉症ではリンゴやモモを食べると口の中がかゆくなる口腔アレルギー症候群や、マメ科の花粉では豆乳アレルギーが新たに発症することが増えています。日本でのPFASの有病率は小学校では0.99%、中学校で2.75%だそうです。また、カバノキ患者全体の20-40%にPFAS合併がみられると報告がありました。

鼻アレルギーとわかったら、アレルゲン対策をして、症状をコントロールすることが快適な子どもの生活につながると思います。

医療法人 創和会 かめさきこども・アレルギークリニックは豊中市(緑地公園駅近く)にある、小児科・アレルギー科の専門医です。

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