子どもっておもしろい!

暑かった夏ももう終わりになりそうですが、ここしばらく、夏休みのせいか、駅で、電車の中で、街角で、たくさんの子どもたちをみかけました。職業柄ついつい子どもたちを観察してしまうし、子どもってほんとにおもしろい。
生まれたばかりの赤ん坊でも個性があるし、成長に従い、いろんな表現法が出てきます。その子どもだけとずっと1対1で過ごしていると、どうしてこんなにいうこときかないのかしらとか、どうして思い通りにいかないのかしらと、悩んだりイライラしたりするお母さんがいらっしゃるのですが、まあ、そもそも子どもなんて思い通りにいかないもんだし、思わぬことをするのを嘆いたり悩んだりせずに、おもしろがるほうが精神衛生的によろしい。それから、話が通じないからといって子どもを甘くみないことです。だいたい1歳半くらいになると、大人の話していることはだいたいわかります。もちろん難しい言葉や概念はまだ知らないし、言葉にして十分表現できないだけで、いろんなことがワカッテル、のです。ちゃんと向き合って人間同士の付き合いをしたほうがいいです。説明したり言葉で説得したり。それが一見無駄に見えても。
先日駅の階段で、2歳前くらいの女の子を抱いた背の高い若いお父さんがいました。ふたりでどこかへ遊びに行った帰りらしい。抱っこしたまま階段を下りかけると女の子が動いて下に降りたがっています。自分で階段を降りたいらしいのです。お父さんは娘をおろして、彼女の立っている階段の2-3段下に待機しました。すると彼女は猛烈に怒って、父親に、後ろに行けと身振りで示すのです。お父さんはいわれるまま階段を上がって、彼女から見えないうしろに移動しました。するとその子はやっと満足して、階段を一段一段降り始めました。お父さんは一段上から一歩ずつ娘のあとについて降りていきます。おもしろいですねえ。この小さい子の主張!彼女は守られるようにひきつれられるように階段を降りたくなかったのです。自分一人で降りたかったのです。かといってお父さんがいなくなってしまえばたぶん不安で大泣きしたでしょう。お父さんを後ろに従えてこそ、彼女は自立の大冒険ができたのです。ほんとにちょっとしたことですが、この小さなお嬢さんは自分でやりたいことができて満足したでしょうし、ええい時間がかかるわいと無理やり抱っこしたまま降りたり手をひいて降りたりせず、後ろにまわってじっと見守った若いお父さんもえらいなあと思いました。
毎日子どもたちに教えられることばかりです。そしていつも楽しませてもらっています。夏も終わり、季節ごとに成長する子どもたちが楽しみです。

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