今月の独り言
風邪と喘息発作と経皮感作と
10月になって急に寒くなったせいもあるのか、子どもたちの風邪が増えてきました。そんなに重症ではないんだけど、熱が1-2日あってそのあとに鼻水や咳がひどくなるとか、小学生の間では喉が痛くてけっこう咳がひどくなるタイプ。私はいつも「のどかぜ」と言っているのですが、喉の炎症で、感染したウイルスを出そうとして乾いた咳が断続的に続きます。
喘息の発作も、この秋はびっくりするくらい多いです。もともと、寒暖差の大きい秋は発作のシーズンですが、9月はまだ夏みたいに暑かったし、運動会も延期になり運動誘発性の喘息発作も少なかったのですが、10月になっていっぺんにきました。ずっと長期の治療を続けていて、発作がないので少しずつ薬を減らして、呼吸機能もよいので春に治療を中止していた小学生が、先週だけでも5人、久しぶりの発作で来院しました。季節だけでなく、どうも発作を起こしやすい変なウイルス感染があるようです。ライノウイルスという風邪のウイルスは喘息発作を起こしやすいことがわかっているのでそれかもしれません。でも、RSウイルスやインフルエンザのように迅速検査で診断がつかないのです。ひさびさに昨日は昼休みなしのいちにち外来でした。
日本アレルギー学会の講演もオンデマンドで聞いていますが、最近のトピックスは「経皮感作」です。バリア機能の落ちた皮膚からいろんなものが入ってきてアレルギーを起こすというのです。乳児の湿疹は早く治して、早くからいろんなものを食べさせることで、アトピー性皮膚炎も食物アレルギーも予防できるというデータがどんどん出ています。実際の診療でも、赤ちゃんの皮膚を離乳食開始までにつるつるにするとなんでも食べられるなあというのは最近実感しているところです。
忙しい診療に追われながら新しいことを勉強するのはなかなか大変ですが、まあがんばりましょう。
秋になってきました
長きにわたった緊急事態宣言は9月30日で終了になります。第5波の新型コロナは子どもたちの感染もあり、注意が必要でしたが、幸いあまり重症化せず、大きなクラスターもなく2学期が続いています。運動会や修学旅行も行う学校も多いですが、今まで通り感染対策を続けて楽しんでほしいです。
友達や仲間と、食べて飲んでしゃべって、というのが大好きだった私も、学会や研究会がないので会う機会もなく、自粛の1年半でホントに寂しい日々でした。家にずっといて外食できないので、毎日なんやかや作っておうち居酒屋するようになり、「鬼滅の刃」のマニアックなファンになってしまったり、大好きなクイーンの楽曲に浸ったり、夢中になれる小説を探したり。オタクですねえ。前は山登りやハイキングもよく行っていたのですが、仲間が引退しちゃって。琵琶湖が近いので、秋はひとり湖岸散歩を考えています。
クリニックのホームページを改訂しました。アレルギーレシピも検索しやすいようにしました。また読んでみてください。ひとりごとはまた楽しい話題を探しますね。
2学期とコロナ感染増加に憂う
8月も終わります。月半ばの雨続きが終わったと思ったら、すごい残暑です。
豊中市は学校の2学期が始まりました。吹田市は1週間始業式延期で9月からになりました。自治体で対応が違うのもコロナ対策で一貫した学校対策が国から出されていないからです。
コロナ感染は、デルタ株の置き換わりで、明らかにフェーズが変わりました。この春までは、子どもの感染はほとんどなく、お父さんが感染しても家庭の子どもたちには感染なし、というケースがほとんどでしたが、最近では感染力が3倍以上になったそうで、子どもの集団での発生が増え、子どもから家庭で親に感染することも報告されています。子どもが重症化しにくく、無症状が多いというのは変わらないのですが、集団生活をする子どもたちの生活の場でいかに感染を抑えるかが問題になります。去年の春のように根拠のない全国学校一斉休校は不要で、子どもたちの学校が閉ざされることによる心の問題、学びの場が奪われることもよくないことです。現場の学校の先生方は本当に大変だと思います。
今大阪の医療状況はすでに崩壊に入っており、重症患者の入院が断られ続けています。これだけの人数が毎日感染すれば当然入院も宿泊施設もたりないわけで、若年層でも、重症化する人は当然増えてきます。開業の内科の先生でコロナ患者の往診をしていらっしゃる方もいて、本当に大変だと思います。感染防護体制での診療は疲労度が倍増なのです。若い人へのワクチン接種を早く進めてほしいです。
当科では区切った発熱外来時間帯は決めていませんが、熱のある患者さんは別室に待機してもらっています。まあ風邪がほとんどなのですが、近隣の保育園でも感染があったようなので、皆さん、要注意です。