コロナ感染まっさかり

1月半ばから全国的に急速に新型コロナの感染が増加してきました。第5波までは、子どもの感染は少なく、家庭内でも親だけ感染して子どもは元気というケースが多かったのですが、オミクロン株は重症化は少ないもののすごい感染力で、子どもたちの生活の場、保育園、幼稚園、学校で増えています。

そういう場で子どもに感染者が出た時どう対応するかは現場に任されていて、その対応で広がり方がまったく違います。近隣の小学校で月曜に熱が出た子が水曜にコロナとわかって家族は学校に報告したのですが、学校は学級閉鎖どころか保護者に周知もせず、金曜にそのクラスで8人休み。私が知ったのは土曜日にそのクラスで新たに発熱した子が3人うちに受診したからで、発熱外来で調べたら皆コロナでした。3日間で同じクラスで10人もの感染者が出たと思われます。学校に連絡したら教頭先生が、教育委員会には報告していると。では教育員会が放置しているのかと思い保健所に指導をお願いしたら、保健所と教育員会はコロナ感染者が出た時の学校の対応についてちゃんと指針を出して伝えているが、どう判断するかは現場に任されているのだそうです。ちなみに隣の校区の小学校ではほとんど感染者はおらず、そこではひとり感染者が出るとそのクラスはすぐに学級閉鎖になるそうです。おなじ公立小学校でもこの違いはなに???

先週も発熱外来でコロナ陽性になる子どもたちが増えていました。ただ、皆割と元気で、症状は1-2日の発熱やのどの痛み、少しの咳など、普通のかぜと見分けがつきません。保健所はこの数では新規感染者にアクセスできないので、診断がついたら医療側からネットで患者さんの報告をしておくので、自宅療養中に悪化したら患者さん自身が保健所に連絡するようなシステムになっています。先週陽性だった7か月の赤ちゃんはあまり状態がよくなかったので、こちらから保健所に連絡してなんとか入院できるようにしましたが大変でした。

まだまだピークを超えるのに1~2週間はかかります。感染対策は続けながら気をつけて生活してください。当科でも発熱外来、しんどいですがしばらくがんばります。

今年も終わります・・・・・

パーティーもケーキもないクリスマスが終わって、年末に向けてぐっと寒くなりました。ここにきて新型コロナオミクロン株の流行がじわじわと増えてきました。従来型に比べて病状悪化率は少ないけれど感染率は高く、子どもにも感染しています(ほとんどが無症状か軽症ですが)。年末年始を過ぎればまた感染者は増えるでしょう。ウイルスとの戦いはまだまだ気が抜けません。

去年と違って、子どもたちの風邪も今年は多く、秋には高熱が続いたり喘息発作を起こすようなしつこい感染症が多かったのですが、12月になると熱は1~3日で、喉が痛く、喉からのしつこい咳になる咽頭炎、鼻水がずるずる続く急性鼻炎、それから嘔吐・下痢の感冒性胃腸炎。どれもウイルスなんですが、ウイルスは種類や型が多すぎて、一般医療現場でなに、と特定できるものはわずかです。インフルエンザ、RS、アデノ、ノロ、ロタくらいです。ウイルスがわかるとそれから先の症状が予想されるのでまあ役にたつといえばそうなんですが、インフルエンザ以外は特効薬がないので対症療法で、ウイルスがわかっても同じです。嘔吐下痢が流行している保育園から、ウイルスの検査をしてもらえといわれて受診する患者さんもいますが、ナンセンス。感染性胃腸炎は特定伝染病ではなく、ノロやロタでないことも多く、症状がおさまれば登園していいことになっています。

いつも言っていますが、子どもは全身状態と生活状態が大切。熱があっても、咳をしていても、水分が取れていて、まあまあ眠れていて、機嫌がよければ経過観察で大丈夫。熱もないのにぐったりしてぼうっとしている子がいきなり受診、というのがいちばん怖いです。小児科は、多くはほんとによくある感染症なんだけど、まれな病気の重症型を見逃さないことが必須なのです。

さあ、今年の診療もあと2日となりました。みんなが元気で新しい年を迎えられるようにと願っています。私は年を経て毎年少しずつしんどくなってきますが、患者さんの子どもたちにパワーをもらって来年も頑張りたいです。

久しぶりのリアル学会

11月初め、小児アレルギー学会が横浜で開かれ、2年ぶりにリアル学会に行ってきました。学会というのは、新しい研究や珍しい症例の報告、先端の研究者の講演などあって、専門領域の知識獲得に効率がいいのです。同じ領域の仲間医者と話すことで情報交換もできます。この2年間、オンラインでは参加しましたが、やはり現場に行かないと熱が伝わりません。

今回の学会で、先端であり注目を集めたのは、「経皮感作」と「消化管アレルギー」でした。先月のひとりごとにも書きましたが、乳児期の湿疹を早く治すことで、皮膚から始まるアレルギー発症が予防できる、というのはもう世界の定説になっています。これによって乳児期の、IgEを介する食物アレルギーはかなり減ってくると思います。それに代わって増えてきたのが、IgEを介さない消化管アレルギーで、食べて2-4時間後に嘔吐するのです。じんましんや呼吸器症状はなく、成長とともに治っていくのですが、発症機序も含めてわかっていないことが多いので、多くのセッションがあって興味深かったです。

最近の外来。子どもたちの風邪も多いですが、発熱1~3日、鼻水と咳が1週間、元気、というコロナ禍前の風邪と同じで、悪化するものは少なく、ちょっとほっとしてます。

プライベートではまだ「鬼滅の刃」ブーム中。日輪刀型鉛筆&キャップセットを買ってみたら気に入って、診察室のパソコンの前に義勇さんの刀(鉛筆)を飾ってあるのですが、煉獄さんの刀がほしいなあ。がちゃぽんと同じくランダム商品で選べないので、買い続けるか悩むところ。「あ、きめつの刀だあ!」と気がついてくれる患者さんもいます。

そうこうするうちにもう12月今年も最後、早いなあ!

医療法人 創和会 かめさきこども・アレルギークリニックは豊中市(緑地公園駅近く)にある、小児科・アレルギー科の専門医です。

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