RSウイルスとつばめ

もう数日で6月も終わり、今年も半分終わります。早いなあ。

通常であれば、5月6月というのは子どもたちの病気が比較的少なく、外来患者さんが少ない季節なのです。しかし今年は、4月のアレルギーシーズン、新学期に向けてのアレルギー検査・説明・書類書きなどで忙しい時期を過ぎても、発熱を伴う風邪が多く続いています。ひとつは、RSウイルス感染症の急速な拡大です。RSウイルスは、本来秋から冬にかけて、寒い時期に流行するものです。しかし昨年は、コロナ感染防止から、多くの子どもたちの休園・休校があり、うがい手洗いマスクの感染防止対策を徹底したせいで、RSウイルスの流行がなく、同じくインフルエンザもほとんどありませんでした。いかにウイルスは人を伝播して生き延びているかということがよくわかります。

そして、今年の春になって九州からRS感染が広がり始め、大阪でも3月から増えて、乳児を中心に入院するような患者さんが増えてきました。今月も、保育園幼稚園で発熱・咳が続くお子さんが増えています。みながRSウイルスではないのですが、クラスの3/4が休んでいる、なんてよく聞きました。また、兄姉からうつって、おうちにいる赤ちゃんが感染してひどくなることもあります。先週は8人入院し、5人がRSでした。もうそろそろ減ってほしいなあ。

新型コロナを警戒して発熱外来もしていましたが、今のところコロナの感染は1例もないので、一般隔離対策でやっています。

通勤途中の民家の軒下につばめが巣をつくっていました。小さい顔が見え始め、そのうち大きな口で餌をねだる子つばめが3羽。大きくなるのを楽しみに毎朝見ていましたが、先週突然姿が消えました。巣立ったのですね。そういう季節です。

春に想う定期券

磁気定期券を二つ持って通勤している。JRと御堂筋線・北大阪急行の二つである。改札機で定期券を入れ、二歩ほど歩くと先のほうの取り出し口に出てくるのを取るのである。

2年程前か、JR新大阪駅の出口改札で、投入口に花のシールが貼ってあり、取り出し口にもピンクの花のシール。よく見ると桜で、ちょうど3月くらいの春の初めであった。わあ、すてき!と私はうれしくなり、改札を通るたびに春を感じた。粋な女性駅員さんの発案かな、とお礼を言いたい気分だった。それから季節が変わると、シールも張り替えられた。夏はひまわりや浮き輪、花火の柄、秋になると紅葉、冬には雪だるまや手袋や雪の結晶の模様など。シーズンごとのちょっとした彩りが、毎朝一瞬の改札を通るときの心のなごみになった。

ところがこの春、急に切符や磁気定期券をいれる改札機が減った。今までは、どちらもできる改札機が多かったのにタッチだけで通れるICレーンが増えたのである。磁気定期券を使えるのは、新大阪駅では7レーン中2つのみに、京都駅西口に至っては、11レーン中3レーンのみになり、そこを探してそこまで回らなくてはいけない。多分IC化を進めようという流れなのだろう。取り出し口の桜のシールも突然無くなり、周りをみても皆ワンタッチ、取り出し口で定期券を取り出すのは少数派であるとわかった。

4月に定期券を更新するにあたって、IC定期券も検討した。しかし問題が。私は両面があいた形の定期券入れを長年愛用していてとても使いやすい。二つの定期券が両面に見えて、必要なほうを出して、入れて、改札を通る。定期券入れの中にICカードも入っていて、通勤路線でない電車の乗り降りやコンビニでの買い物など、そのままワンタッチで便利である。しかし定期券をICタイプにすると、ICカード3枚重ねて一つに入れてタッチはできないとのこと。それでは3面鏡みたいな定期券入れを用意し、3面を別に使い分けるわけ?探したがそういう3面鏡定期入れはなかった。交通ICカードと定期券をひとつにすることもできますよと言われたが、交通費として定期代は経費から支出、個人の買い物もするICカードと一緒にしては会計管理がややこしい。

かくして、こうなったら最後まで磁気定期券を出し入れして、IC化に逆らってがんばろうと思う。もう取り出し口になごむシールはないけれど。

発熱外来

新型コロナは、変異株への変化もあって、関西で危険な状況です。毎日1000人以上の発症があれば、それはもう入院するベッドもないし、重症化しても受け入れる病院もなく、もう医療崩壊が始まっています。

子どもたちの間でも、4月から新学期で、保育園・幼稚園でいろんな病気が流行し、熱が出る子も増えています。感染性の胃腸炎やRS ウイルスなども多いです。ちゃんと見極めて正しい診断をし、できる検査はして、注意点をお話しし、何日か経過観察、どうなれば再来してもらうかなどを短時間で判断せねばなりません。いつもの病気ならいいのですが、こんなにコロナ感染が多くなり、身近な学校や園で発症者が出ていると、どこで紛れ込んでくるかわかりません。専門家の話を聞きましたが、診察だけでは、ほかの病気とコロナと区別はつかないのです。そこで、万一のことを考え、発熱二日以上続く患者さんは、発熱外来の時間帯を決め、特別室で防護体制をしっかりとったうえで対応することになりました。どうぞご協力ください。医師も看護師も、動きづらいし神経を使うので1時間が限度です。しかし幸いいまのところコロナ感染の患者さんはまだ出ていません。

連休はどこにも移動できず、鬱屈した日々が続きますが、なんとかみんなで乗り越えましょう。

医療法人 創和会 かめさきこども・アレルギークリニックは豊中市(緑地公園駅近く)にある、小児科・アレルギー科の専門医です。

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