今月の独り言
ひとりごとも最後です
2025年も押し迫り、12月27日で仕事納めとなりました。インフルエンザの流行が今年は早かったですが、その分、年末は落ち着いた外来になりました。
さて来年2026年5月で、かめさきこども・アレルギークリニックは開業20年となります。済生会中津病院小児科でアレルギー外来をやっていましたが、その当時アレルギーの専門医療をやっている小児科医は少なく、多くの子どもたちは専門医療を受けられていませんでした。開業して毎日地域の子どもたちの外来をすれば、何倍もの患者さんの役にたつかなと思ったのです。
当時アトピー性皮膚炎の治療に、子どもだからステロイドは使わないという医師も多く、全身湿疹でかゆくてじくじくで夜も眠れない子どもがたくさんいました。そういう子どもたちの皮膚バリア機能が悪いせいで食物アレルギーとなり、卵・乳・小麦完全除去、なんていう乳幼児がたくさんいました。今は、早くから皮膚をよくすることができ、ステロイド以外でもいい薬がたくさんあります。乳児期早期に皮膚をよくすることで、ホントに重症の食物アレルギーは減りました。気管支喘息も、長期管理に、ロイコトリエン受容体拮抗剤(モンテルカストやプランルカスト)が広まると発作が減り、また乳幼児も使えるステロイド外用剤が増えて、子どもの喘息発作や入院は本当に減りました。子どもたちや家族に、かゆみや湿疹、喘息発作のしんどさ、食べるものの制限がある不便さ、こういうもののない生活がしてほしかったのです。今はそれぞれの疾患にガイドラインができ、アレルギー専門医でなくても標準治療を実践する若い小児科医が増えてきました。アレルギーで悩む子どもたちや家族が減ったのは本当によかったです。
そういうわけで私のめざした小児医療はずいぶん浸透してきました。開業20年をきっかけに、私はクリニックの院長を辞し、外来の日数も少し減らそうと考えています。年をとると体力が落ち、集中力や忍耐力が落ちてくるのを感じています。仕事でミスをしたり余裕がなくて患者さんに優しく接することができなくなるのが心配なのです。まだまだお役にはたてるとは思いますのでもうすこしがんばります。
ホームページも変わっていきますが、まずこの今月のひとりごと、長年つぶやいてきましたが、役目も終えたので今月でお終いにしようと思います。長年読んできてくださった方、ありがとうございました。

