今月の独り言
インフルエンザワクチン
9月も終わりになってやっと少し涼しくなってきました。
10月からインフルエンザワクチンが始まります。今年は本格的に、フルミストという鼻にスプレーするタイプのワクチンが始まります。今までの注射と違って痛くないし、1回ですむ、2歳から18歳まで用の新しいワクチンです。痛くないので子どもにはいい!と多くの小児科でこぞって取り入れています。しかしうちのクリニックでは今年は見合わせようということになりました。
このワクチンは、インフルエンザウイルスを弱毒化してそのものをスプレーで鼻にいれます。鼻粘膜に直接感染させるので、鼻粘膜の弱い人は鼻水、鼻づまり、喉の痛みなど、軽い風邪にかかったような症状がでることがあります。2週間程度は、免疫の弱い人と接触すると感染させるおそれがあります。慢性の気道感染のある人には推奨できないとされています。
当科はアレルギーの専門の小児科です。気管支ぜんそくで長期管理の治療をしている患者さんは多いし、ぜんそくの小児の8割はアレルギー性鼻炎を合併しているので、このワクチンはあまりお薦めできません。ぜんそくもアレルギー性鼻炎も慢性的に気道過敏性が高いのです。2歳から4歳のぜんそくのある児は禁です。ワクチン接種は当科ではネット予約になっていますので、たくさんの患者さんに、喘息や鼻炎があるのか、鼻スプレーをしてもいいのかを問診するのは不可能なのです。また、新しいワクチンなので、たくさんの小児にこのワクチンをすると、どのくらい副反応がでるか、どのくらいの効果があるのかまだわかっていません。
なので、今年は見送りで従来通り注射でのワクチンをいたします。痛くないように上手にするので、みんながんばろうねー!