5月のおでかけ

5月はあちこち遊びに出かけました。

名古屋まで久しぶりにクラシックのコンサートに行きました。世界的指揮者の佐渡裕さんがウィーンのオーケストラを率いて来日し、マーラーの交響曲第5番という大曲を演奏しました。2021年のショパンコンクールで2位になった反町恭平さんがゲストで、モーツァルトのピアノ協奏曲23番、これもよかった。その日は興奮さめやらず名古屋に泊まって、翌日は朝から大阪へ出勤しました。

白浜のアドベンチャーワールドのパンダが来月中国に返還されるというので、この前の日曜は白浜までパンダを見に行きました。人は多かったけどゆっくり4頭見られて、なんてあんなに可愛いんでしょうね。そっくりかえって座って竹をむしゃむしゃ食べていました。いなくなると寂しいね。

先週末は熊本で同窓会でした。卒後42年になりますが、熊大医学部卒の女子だけが、17人中11人も集まりました。みんな大学や病院や施設のお医者さんしていて、定年になって週2~3日の仕事、というところ。みなバリバリに女医さんしてきてますが、今週5で働いてるのは3人のみ。意外にも自分で開業しているのは私だけでした。いっぺんに学生時代に戻ったようなにぎやかさで楽しかったです。私も来年で開業20年になります。ちょっと体力的にきつくなってきていて、そろそろ仕事を減らそうかと思いました。

はしかはこわいよ

今年麻疹(はしか)が流行していると伝えられています。現在2025年で78例の報告があります。

麻疹は2000年に定期のワクチン接種が始まってから発症が激減していました。麻疹は空気感染をし、感染力が強く、有効な治療法はありません。ワクチン接種で免疫をつけるしかないのです。最近の麻疹の発症はワクチン接種をしていない人ばかりで、ワクチン接種の進んでいない海外での感染、もしくは外国人の感染持ち込みがほとんどです。

昔ははしかは、病気になってそれで免疫をつけるものでした。水痘も百日咳もおたふくかぜもそうです。でも一定数の子どもが合併症で命を落としたり後遺症が残るのです。麻疹は発疹と高熱がつづく病気で、その状態自体もしんどいのですが、多く中耳炎や肺炎を合併し、1000人に1人は脳炎の合併があります。治療法はなく、脳炎になると1/3は死亡、1/3は後遺症が残り、1/3が回復するといわれていました。

私が40数年前小児科医になって初めて担当して死亡した患者さんは4歳の麻疹の脳炎の女の子でした。麻疹罹患後脳炎でけいれんが止まらず、私のいた小児専門病院に搬送されたときは、けいれんは止まっていましたが意識のない状態でした。何も助ける薬はありません。いっぺんも目覚めることもなく、数日で亡くなりました。何もできないという無力感は今も忘れられません。

私も幼児期で覚えていませんが、母が「あんたのはしかはひどかった」と何度も言っていました。昔は、いろんな感染症にかかって生き延びた子どもだけが大きくなっていったのです。

1歳になったらはやくMRのワクチン接種をしてください。2回目の追加接種は小学校に入る前の1年間です。注射いたいよね、でも頑張ってね、これは君たちの命を守る大切な注射なんだよ、とご家族も励ましてあげてくださいね。

 

花粉症はいやだね

3月は長い間寒かったのが、後半になってようやく暖かくなってきました。でもそうなると、スギ花粉の飛散が増えて、花粉症の症状が増えてきます。

この時期、外来をしていると小さな子でもお母さんが、花粉症みたいで・・とよくおっしゃるのですが、要は鼻水が続くということなんですね。でも普通は、3歳以下の小児に花粉症はあり得ません。アレルギーの体質のある人は、何かアレルゲンが体に侵入すると(触ったり、吸ったり、食べたりとか)、IgE抗体という、そのアレルゲンに反応するタンパク質を作ります。それがたくさん体の中にあると、入ってきたアレルゲンに反応して、アレルギーの症状(かゆみ、じんましん、鼻水など)が起きるのです。スギ花粉は年に1回、2~4月に飛散しますから、それを取り込んでIgE抗体ができる。でも5月以降になるともう花粉はないので、体にあったIgE抗体はだんだん減っていきます。そして次のシーズンにまた花粉にさらされてIgE値が増えます。これを数年繰り返して、2月の時期にある程度の量の抗体を持っていないと症状は出ないのです。

IgE抗体をどのくらい作るかは、個人のアレルギー体質の強さによるし、どういう生活をしてどのアレルゲンがどのくらい侵入するかなど、いろんな要因があります。アレルギー体質の強い場合は5-6歳の小児でもスギ花粉症を発症することはあります。

でも、2-3歳のおちびさんの鼻水が続くのは、うまくかめずにすすったり、寒暖差の刺激で鼻水が止まりにくかったり、保育園で鼻かぜをもらったりとかがほとんどです。2歳になったら鼻かみの練習をして、ふがふがいいながらも機嫌よく食べて眠れていればあまり心配はいりません。

それぞれに春の楽しみをみつけてお過ごしください。

医療法人 創和会 かめさきこども・アレルギークリニックは豊中市(緑地公園駅近く)にある、小児科・アレルギー科の専門医です。

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