子どもの喘息は治るのですか。
昔は小児喘息は大きくなったら治るといわれていました。確かに、成長して気管支が太くなるとぜいぜいいいにくくなりますし、体力がつきかぜをひきにくくなると発作も減ります。でも本当に治ったかといわれると難しいところです。最近の研究では、子どもの喘息の6割は思春期になると、寛解といって、発作がない状態になります。でもこの中には発作はなくても呼吸機能が悪く、気道過敏性が高い人がいて、こういうひとは成人してからどこかでまた喘息発作をおこすといわれています。放っておいて大きくなりさえすれば喘息が治るのではなく、発作を起こさないように治療をしておくことが必要です。
幼稚園に入ってからよくかぜをひき、咳がいつまでも続くようになりました。ぜんそくではないでしょうか。
ずっと家にいたお子さんが初めて集団生活を始めると、最初の半年くらいはいろんなかぜをもらいます。普通のかぜでは1週間くらいで症状が治まるのですが、いつまでも咳が残るとか、ぜー、とかひゅー、とかいう音が聞こえた場合には軽い喘息の始まりのことがあります。また、かぜをひいてもいないのに、寝ているときに痰の絡んだ咳をするとか、走ると必ず咳をするというのも喘息の兆候です。専門医に相談してください。
喘息があっても、運動はできますか。
もちろんです。ただ、運動をするときにコツがあります。はじめに十分ウォーミングアップすること、インターバルトレーニングといって、休憩をとりながら運動することです。運動の種類も、喘息をおこしやすいものとおこしにくいものがあります。一番いいのは水泳で、いちばんおこしやすいのはマラソンです。運動によっておこる喘息は、運動誘発喘息といって、喘息が重症であれば軽い運動でも発作が起きますし、軽い喘息でも、マラソンなど運動負荷が強くなればおこります。ふだんの体育や部活動の運動くらいは、発作なく参加できるようふだんの喘息治療をしっかりしておくことが必要です。